オタクが本を読む

読んだ専門書等を元にレジュメを作ってみるブログです。

哲学ってなんなのよ

 大学で哲学の講義を受けて幾星霜。ソクラテスだのアリストテレスだのは遠い記憶の隅にちまっと座しているだけだった。おーいと手を振ればちらりとこちらを一瞥されるような関係性。有り体に言えば、無関心。大学で必死こいて取った医療系資格とその知識の方がせっかちに頭を占めて、自分の首も絞めていく。にっちもさっちも行かなくなったところでようやく、頭の隅っこにいた哲学者たちが手を振り返したのだ。

 では、哲学とは何ぞや。「よくわかる 思想・哲学(納富信留ら著)」によると哲学とは「特定の学問ではなく生き方、世界観、自ら考える態度」なのだそうだ。デジタル大辞泉では「ギリシャ語のphilosophiaに由来」「sophia(智)をphilein(愛する)」という意らしい。智を愛する生き方。人間かくありたいものである。

 そんな大層な人間になれるかはさておき、会話で自然に哲学の話が出たらめちゃくちゃ「大人」な気はする。推しへの考察もより深い物になりそうだし、何より考える種が増えたことで推しへの解像度が高まる。推しの像がクリアになって、萌えでぶん殴られるような二次創作を書けるかもしれない。いいこと尽くしである。

 こうして推しへの解像度を高めるという不純な動機なもと本を開いたのだった。